純資産総額という名前は、ETFなどのファンドを購入する際に必ずと言っていいほど記載がありますが、あまり注意してみていない人も多いのではないでしょうか。
このページでは純資産総額について、詳細や注意すべきポイントなどをまとめておりますので、今後のETF投資に活用していただければと思います。
純資産総額の詳細
純資産総額とはファンド自体の大きさ(規模)を表すもので、資産(株式、債券など)の時価総額のことです。
またファンドが組入れている資産の評価(基準価額)と、ファンドを買付した投資家の保有口数(受益権口数)を掛けたものでもあります。
さてこの純資産総額は、ある要因によって増減することがあります。
純資産総額が増減する理由
ファンドを購入する人が多くなればその分入ってくる資金も大きくなり増えていきます。
逆に売却(解約)すれば資金が流出しますので、純資産総額も減っていくわけです。
また純資産総額はそのファンドが保有している資産の時価総額でもありますので、運用を行っている資産(株式など)が値を上げれば純資産増額も増えていきますし、値を下げれば逆に減少していきます。
2018年末の公募投資信託の純資産残高は2年連続で100兆円を超える可能性が高い。だが日銀が購入する上場投資信託(ETF)が3割以上を占め、個人マネーの流入は細っている。売れ筋だった毎月分配型の人気が薄れたほか運用会社が新規設定ファンドの投入を抑制し、本数は14年ぶりに減少する。
— 佐野 直哉 (@pxbrqnaZJT1917W) 2018年12月27日
注意すべきポイント
単純に純資産総額が多い・少ないで優良なファンドと判断できない点になります。
というのも、前出したとおり純資産総額は資産自体の評価と受益権口数を掛けたものになります。
例えば資産自体の評価(基準価額)だけ上昇していく場合でも、純資産総額もつれて増大していきます。
それと同時に投資家から購入されればいいのですが、逆に利益確定の為に売却(解約)される場合もあり、受益権口数の方が大きく減って純資産総額も減少する恐れがあるのです。
現時点で純資産総額が多くても、長期間にわたって少しずつでも減少が続いているファンドは、解約の方が多いファンドと言え、いずれ繰上償還のリスクに繋がる恐れがあります。
ですので現時点で少ない純資産総額であっても、一定の期間徐々にでも上昇し続けているファンドは優秀ファンドと言えます。
順調に純資産総額が増え続けているファンドを選択することで、今後も安心して運用を続けていくことができるでしょう。
投資信託で運用している場合は常に「繰上償還リスク」というリスクを背負います!
保有している投資信託が強制的に換金されて投資家にお金が返されることですが、それに備えるには
・ファンドを分散させる
・純資産総額の量が多く、伸びているファンドを選ぶこれらで多少リスクが軽減します
— 投資家ぺけ (@peketoushika) 2019年9月1日
繰上償還のリスクとは
ファンドには、最低限の受益権口数(投資家の保有口数)があらかじめ決められているのですが、それを下回った場合、運用停止になる繰上償還がされることになっています。
前述した資金の流入が続いた場合、受益権口数が減っていることになるので繰上償還になる可能性が高くなります。
繰上償還になる可能性の高いファンドを選ぶことのないように、純資産総額の増減を一定期間チェックしていくことが必要です。
繰上償還になる最低限の受益権口数は、目論見書に記載されておりますので、購入する際は確認を忘れないようにしましょう。
繰り上げ償還となったようです。このシリーズ他にも償還になるようで、純資産総額って大事なんだなあって改めて感じました。今年に入って二つ目だ。最後まで持ってると税制優遇受けられないらしいのでNISAの人気をつけて。#ブラックロック #i-mizuho #東南アジア株式インデックス
— mz01 (@2201_mm1) 2018年3月21日
まとめ
純資産総額(純資産残高)は、基準価額よりも重要性の高い指標になります。
純資産総額推移をあらかじめ確認しておくことが大事となり、長い期間減少を続けているファンドは解約が多いファンドですので購入を控えた方が良いでしょう。
そういったファンドは受益権口数が減って逆に基準価額が上昇していく傾向があります。
基準価額の上昇だけに惑わされないためにも、普段から純資産総額の推移を見る癖をつけておくのが良いですね。